イケメン警察官、感情ゼロかと思ったら甘々でした

「……涼介、ありがとう。すごく美味しかった」

「どういたしまして。
……次は一緒に作るか?」

「うん、それ、楽しみにしてる」

ふたりで後片づけを終えたあとは、
ソファで肩を寄せ合いながら、小さなランプの灯りのもとでゆったりとした時間を過ごした。

いつの間にか、美香奈は神谷の肩に頭を預け、静かに眠り始めていた。

神谷は、その温かな重みを感じながら、
息を殺すように静かに過ごしていた。

しかし――

「……や、だ……やめて……っ……!」

突然、小さな声が震えながら漏れた。

美香奈の身体が小さく震え、額に汗がにじんでいる。

「……美香奈……?」

神谷が優しく呼びかけても、彼女は目を覚まさず、
まぶたの裏で、恐怖に追われるように顔を歪めていた。

「……やだ……触らないで……っ……!」

その声に、神谷の胸がぎゅっと締めつけられる。

彼は迷いなく、美香奈の肩を包み込むように抱き寄せ、
耳元で静かに囁いた。

「大丈夫……夢だよ。ここには俺がいる」

何度も、何度も。
落ち着いた声で、ゆっくりと、繰り返す。

「起きて、美香奈。怖いのは、もう全部終わった。
君はここにいる、俺の腕の中に――安心して」

やがて、美香奈の身体がびくっと震えたあと、
ゆっくりと目が開いた。

「……涼介……?」

「うん、俺だ。大丈夫。全部、夢だった」

息が乱れている。目が潤んでいる。

神谷はその頬に触れ、濡れた髪をそっとかき上げる。

「怖かったな……でも、もう大丈夫。
ここには俺しかいない。誰も君を傷つけない」

その言葉に、美香奈は涙を一粒、頬に落とした。

そして、彼の胸にしがみつくように抱きつき――
小さく、震える声で言った。

「……こわかった……けど、涼介の声が聞こえて……安心したの」

神谷は黙ってその背中をさすり、
深く抱きしめた。

「これからも、何度でも言うよ。
君が安心するまで、ずっと」

そうしてふたりは、やがて静かな夜へと戻っていった。
涙のあとのぬくもりの中で、再び寄り添いながら。