イケメン警察官、感情ゼロかと思ったら甘々でした

「……ほんとに、ここが警察官の部屋ですか?」

玄関で靴を脱ぎながら、美香奈は冗談めかして笑った。
きちんと片付いたリビング。余計なものがなく、でもどこか温かみがある。

「ほら見ろ。言っただろ、意外と整ってるって」

「意外、じゃなくて。完全に“綺麗好き”なレベルですよ」

「職業柄、癖なんだよ。証拠品とか、汚れとか……つい細かく見ちゃう」

「でも、そういうとこ……ちょっと、好きかも」

ぼそっと呟いたその言葉に、
神谷が一瞬動きを止めて、ふっと目を細めた。

「……もう一回、言って」

「や、やです! 一回しか言いません!」

「ああ、そう。じゃあ、そのぶん今日は俺がいっぱい言う」

「えっ……な、なにを?」

「君のこと、好きだって」

あっけらかんとしたその声に、
美香奈はソファに置いたクッションを手に取って、思わず顔を隠す。

「……涼介さん、そういうの不意打ちすぎます……」

「言っただろ。今日は“俺が甘える番”だって」

その言葉と同時に、
神谷が隣に座り、彼女の肩にそっと頭を乗せてくる。

「ねえ、今日さ。俺が料理するから、君は座ってて」

「え……ほんとに? 大丈夫ですか?」

「こう見えて、料理は割と得意なんだ。独り暮らし、長いから」

言いながらエプロンを手にする彼の後ろ姿を見て、
美香奈は思わず口元を緩めた。

ふたりきりの空間。
それだけで、胸の奥がじんわりと満たされていく。