イケメン警察官、感情ゼロかと思ったら甘々でした

キッチンに立つふたり。
今日は簡単な朝ごはん――トーストと卵、温かい紅茶。

「ねえ、バターって冷蔵庫?」

「上の段。ジャムも一緒に出そうか?」

「うん。……あ、そっちは砂糖の瓶!」

「……っと」

神谷が彼女の手に被るようにして瓶を受け取り、
そのまま指先が軽く触れる。

一瞬、ふたりの目が合って、
美香奈のほっぺがほんのり赤くなる。

「……なに?」

「いや、可愛いなって思っただけ」

「……もう、ずるい」

「何が?」

「朝からそんなこと言うの、反則です」

神谷は肩をすくめて笑いながら、
背後からそっと美香奈の腰に腕を回す。

「じゃあ言わないでおくか」

「……いえ。言ってくれて、嬉しいです」

小さな声でそう返すと、
神谷はそのまま、彼女の首筋に唇を近づけ――

「じゃあ、ボーナスでひとつ。
“今朝の寝癖も可愛い”」

「っ、それ褒めてませんよね!?」

「褒めてるよ。俺だけが見れる姿、だからな」

そうささやかれて、美香奈はもう完全に顔を真っ赤にしていた。

「……ほんとに、ずるい……」

それでも、つい笑ってしまう。
彼の腕の中で、笑ってしまえる朝――

それが、今の彼女にとって何よりの幸せだった。