夕方、彼が部屋を訪れた。
美香奈は簡単な食事を用意していたけれど、
ふたりとも食事より、会って話せる時間そのものを大事にしたいと思っていた。
食後、ソファに並んで座る。
カップを手にしながら、美香奈はふと、心の奥にあった疑問を口にした。
「……聞いてもいいですか?」
神谷が横顔で応じる。
「どうして、あのとき……
夜中に電話した私のところに、すぐ来てくれたんですか?
普通、そんな対応って……しないですよね」
神谷は驚いたように美香奈を見て、次の瞬間ふっと笑った。
「……警察学校で習ったんです。
“可愛い子には手厚くサポートすること”って」
「……っ!」
美香奈は一瞬で真っ赤になり、思わず顔を背ける。
「な、なにそれ……そんなの絶対ウソ……」
「うん、嘘です」
軽く笑って、神谷は彼女の指先に触れた。
「でも――本音を言えば、君が“君”だったから。
深夜でも、どこでも、行くのが当たり前だと思った」
その言葉に、美香奈の心臓が跳ねた。
「……もし私が、“可愛くなかったら”?」
「その仮定は無理だな。
だって最初に会ったときから、ずっと可愛いと思ってたから」
再び顔が熱くなるのを感じながらも、
彼女は彼の手を、そっと握り返した。
「……ずるい人」
「うん。でももう、隠す必要もないでしょう?」
神谷は優しく微笑みながら、彼女の頬に手を添えた。
「君のすべてを、大事にしたいと思ってる。
強がる君も、弱さを見せる君も、全部」
そのまま、静かに額を預け合う。
ぴったりと重なった空気の中で、
ふたりの気持ちは、さらに深く繋がっていた。
美香奈は簡単な食事を用意していたけれど、
ふたりとも食事より、会って話せる時間そのものを大事にしたいと思っていた。
食後、ソファに並んで座る。
カップを手にしながら、美香奈はふと、心の奥にあった疑問を口にした。
「……聞いてもいいですか?」
神谷が横顔で応じる。
「どうして、あのとき……
夜中に電話した私のところに、すぐ来てくれたんですか?
普通、そんな対応って……しないですよね」
神谷は驚いたように美香奈を見て、次の瞬間ふっと笑った。
「……警察学校で習ったんです。
“可愛い子には手厚くサポートすること”って」
「……っ!」
美香奈は一瞬で真っ赤になり、思わず顔を背ける。
「な、なにそれ……そんなの絶対ウソ……」
「うん、嘘です」
軽く笑って、神谷は彼女の指先に触れた。
「でも――本音を言えば、君が“君”だったから。
深夜でも、どこでも、行くのが当たり前だと思った」
その言葉に、美香奈の心臓が跳ねた。
「……もし私が、“可愛くなかったら”?」
「その仮定は無理だな。
だって最初に会ったときから、ずっと可愛いと思ってたから」
再び顔が熱くなるのを感じながらも、
彼女は彼の手を、そっと握り返した。
「……ずるい人」
「うん。でももう、隠す必要もないでしょう?」
神谷は優しく微笑みながら、彼女の頬に手を添えた。
「君のすべてを、大事にしたいと思ってる。
強がる君も、弱さを見せる君も、全部」
そのまま、静かに額を預け合う。
ぴったりと重なった空気の中で、
ふたりの気持ちは、さらに深く繋がっていた。



