イケメン警察官、感情ゼロかと思ったら甘々でした

朝、カーテンの隙間から差し込む光が、柔らかく頬を照らしていた。

目を開けた美香奈は、しばらくベッドの中で身を丸めていた。

昨夜は、ようやく少しだけ眠れた。
連日続いていた悪夢も、不思議と現れなかった。

あの夜――
玄関を破られ、押し倒され、何もかもが崩れ落ちた瞬間。
でもその場で、あの男――中原が捕まった。

あれから警察での手続き、病院での検査、
支援団体の面談など、怒涛のような時間が過ぎた。

そしてようやく今朝。
やっと“自分の時間”が戻ってきた気がした。

ゆっくりと体を起こし、キッチンで白湯を沸かす。

その香りに包まれながら、スマートフォンを手に取ると、
着信履歴に、神谷涼介の名前が残っていた。

ちょうどそのとき、再び電話が鳴る。

「……おはようございます。神谷さん」

『あ、起こしてしまいましたか?』

「いえ、大丈夫です。
……というか、あなたの声、聞くと安心します」

電話の向こうで、かすかに空気が動く気配があった。

『今夜、少しだけお時間いただけませんか?
君に、直接話したいことがあります』

「……私も。
会いたいと思ってました」

その一言を伝えたあと、心がふっと軽くなる。

――あの夜を越えても、
ちゃんとまた“会いたい”と思える人がいる。

それが、今の自分を支えている。