イケメン警察官、感情ゼロかと思ったら甘々でした

「生活面について、ひとつ確認させてください」

神谷は、ゆっくりとテーブルに視線を落としながら言葉を選んだ。

「今回の事件の現場となったのは……
現在、滞在されていた真木弁護士のマンションの部屋でしたよね。
現場検証や鑑識はすでに完了していますが、あの部屋には――」

美香奈は、首を横に振って彼の言葉を遮った。

「……もう、あそこには戻りたくありません。
あれだけのことがあった場所に……いくら安全だって言われても……無理です」

静かな声。
けれど、そこには確かな決意があった。

神谷は頷いて続ける。

「わかりました。
もともと住んでいたご自宅については、すでに鑑識の作業も終了しています。
防犯強化の点で、管理会社とも連携しながら整備を進めるよう調整できますが――
そちらに戻ることは、可能ですか?」

「……はい。元の部屋に、戻りたいです。
本当に怖いけれど、でも……今度はちゃんと、自分の場所に帰りたい」

美香奈の手が、そっと膝の上で握られる。

「了承しました。
防犯面の強化や見回り体制については、警察で引き続き対応します。
必要があれば、相談窓口の紹介や、支援制度のご案内も可能です」

神谷の言葉に、美香奈は小さく頷いた。

現実の痛みがあっても――
もう逃げないと、そう決めた瞳だった。