処置室のドアが静かに閉まると、
美香奈の呼吸は再び不規則に波打ちはじめていた。
肩が小刻みに震え、胸元が浅く上下を繰り返す。
酸素を求めるかのように、喉がかすかに引きつるたび、体全体が緊張に包まれていく。
それに気づいた看護師が、すぐそばへしゃがみ込み、
そっと手を取り、耳元へ静かに声を届けた。
「大丈夫ですよ。焦らなくていいんです。
いまから、一緒に呼吸のペースを整えていきましょうね」
その声は、低く穏やかで、安心を引き寄せるような柔らかさがあった。
「吸うより、吐くことに意識を向けてみてください。
苦しくても、鼻から少し吸って、口から細く――ゆっくり、長く吐いていきましょう」
看護師は背中に手を添え、やさしく上下へとリズムを刻む。
決して急がず、美香奈の不安を受け止めながら。
「そう……いいですね。その調子。もう一度いきますよ。
鼻からすこし吸って、はい……今度は長く、ゆっくり吐いて」
処置室には、看護師の声だけが静かに響いていた。
穏やかで、決して揺るがないその声は、波のように心をなだめ、
美香奈の肩の揺れも、少しずつ落ち着きを見せはじめる。
呼吸の速さは完全には戻らなくとも、
その浅さと乱れは、次第に整えられていった。
美香奈の呼吸は再び不規則に波打ちはじめていた。
肩が小刻みに震え、胸元が浅く上下を繰り返す。
酸素を求めるかのように、喉がかすかに引きつるたび、体全体が緊張に包まれていく。
それに気づいた看護師が、すぐそばへしゃがみ込み、
そっと手を取り、耳元へ静かに声を届けた。
「大丈夫ですよ。焦らなくていいんです。
いまから、一緒に呼吸のペースを整えていきましょうね」
その声は、低く穏やかで、安心を引き寄せるような柔らかさがあった。
「吸うより、吐くことに意識を向けてみてください。
苦しくても、鼻から少し吸って、口から細く――ゆっくり、長く吐いていきましょう」
看護師は背中に手を添え、やさしく上下へとリズムを刻む。
決して急がず、美香奈の不安を受け止めながら。
「そう……いいですね。その調子。もう一度いきますよ。
鼻からすこし吸って、はい……今度は長く、ゆっくり吐いて」
処置室には、看護師の声だけが静かに響いていた。
穏やかで、決して揺るがないその声は、波のように心をなだめ、
美香奈の肩の揺れも、少しずつ落ち着きを見せはじめる。
呼吸の速さは完全には戻らなくとも、
その浅さと乱れは、次第に整えられていった。



