ベッドの脇に、美香奈は崩れ落ちていた。
両膝を抱えるようにして座り込み、
上体はベッドに突っ伏したまま。
「っはぁ……はぁ……」と、苦しげな呼吸が喉から漏れていた。
髪は濡れたまま頬に貼りつき、
薄手のパジャマも、ところどころ湿っている。
肩は小刻みに震え、明らかに体温が下がっていた。
救急隊員のひとりがそっと近づき、
毛布を広げながら、やわらかく声をかける。
「橋口さん、大丈夫ですよ。
今は安全です。……寒いですよね、毛布かけますね」
肩にそっと毛布をかけると、
彼女の体が一瞬、びくりと震えた。
「大丈夫、大丈夫です。すぐ終わりますから」
もうひとりの隊員が、タオルを用意して
濡れた髪を軽く押さえるように拭っていく。
「すこしでも冷えないように、温かくしていきましょうね」
それでも美香奈は、呼吸を落ち着かせる気配を見せない。
息が掻きこむように漏れている。
隊員のひとりが彼女の隣にしゃがみ込み、
さらに静かな声で話しかけた。
「呼吸のお手伝いをしますね。吸おうとしなくていいですよ。
いまは“吐くこと”に集中していきましょう。
『ふー』っと、口から長く、ゆっくり吐いてください」
そう言いながら、肩に軽く手を添え、
一定のテンポでトントンとリズムを刻んでいく。
「いいですよ、その調子。もう一度、ゆっくり吐いて……ふー……
一緒に、ゆっくり呼吸していきましょうね」
声とリズムに導かれながら、
美香奈の呼吸はまだ不安定ながらも、
少しずつ、そのスピードを落とし始めていた。
神谷は部屋の隅に控えたまま、
一切声もかけず、ただじっと彼女の様子を見守っていた。
両膝を抱えるようにして座り込み、
上体はベッドに突っ伏したまま。
「っはぁ……はぁ……」と、苦しげな呼吸が喉から漏れていた。
髪は濡れたまま頬に貼りつき、
薄手のパジャマも、ところどころ湿っている。
肩は小刻みに震え、明らかに体温が下がっていた。
救急隊員のひとりがそっと近づき、
毛布を広げながら、やわらかく声をかける。
「橋口さん、大丈夫ですよ。
今は安全です。……寒いですよね、毛布かけますね」
肩にそっと毛布をかけると、
彼女の体が一瞬、びくりと震えた。
「大丈夫、大丈夫です。すぐ終わりますから」
もうひとりの隊員が、タオルを用意して
濡れた髪を軽く押さえるように拭っていく。
「すこしでも冷えないように、温かくしていきましょうね」
それでも美香奈は、呼吸を落ち着かせる気配を見せない。
息が掻きこむように漏れている。
隊員のひとりが彼女の隣にしゃがみ込み、
さらに静かな声で話しかけた。
「呼吸のお手伝いをしますね。吸おうとしなくていいですよ。
いまは“吐くこと”に集中していきましょう。
『ふー』っと、口から長く、ゆっくり吐いてください」
そう言いながら、肩に軽く手を添え、
一定のテンポでトントンとリズムを刻んでいく。
「いいですよ、その調子。もう一度、ゆっくり吐いて……ふー……
一緒に、ゆっくり呼吸していきましょうね」
声とリズムに導かれながら、
美香奈の呼吸はまだ不安定ながらも、
少しずつ、そのスピードを落とし始めていた。
神谷は部屋の隅に控えたまま、
一切声もかけず、ただじっと彼女の様子を見守っていた。



