「女性からの通報です。侵入者あり、現在室内にいるとのこと。
住所確認済み。至急、現場に向かいます」
署内に緊張が走る。
すぐさま現場周辺のパトロール車両が招集される。
神谷もまた、無線越しにその通報を聞き、
瞬時にブレーキを切った。
「場所は――橋口さんの滞在先だ。俺も現場に向かう!」
タイヤがアスファルトを滑るように回転し、
サイレンが夜の空気を切り裂いた。
***
「……もう、出てきてよ。
わかってるんだ、そこにいるのは」
寝室の向こうから、男の声がする。
まるで、探し物をするような軽い口調。
けれど、その中には抑えきれない“熱”が滲んでいた。
ドアノブが回される。
力を加えて、ドア全体が“ギィ……”と軋む。
美香奈は、息を殺して壁に背中を押しつけた。
(もう少し、もう少しだけ……)
通報は届いた。
声も、伝わった。
今はただ、待つしかない。
だが、ドアは――
音を立てて、少しずつ“その先”へ向かっていた。
住所確認済み。至急、現場に向かいます」
署内に緊張が走る。
すぐさま現場周辺のパトロール車両が招集される。
神谷もまた、無線越しにその通報を聞き、
瞬時にブレーキを切った。
「場所は――橋口さんの滞在先だ。俺も現場に向かう!」
タイヤがアスファルトを滑るように回転し、
サイレンが夜の空気を切り裂いた。
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「……もう、出てきてよ。
わかってるんだ、そこにいるのは」
寝室の向こうから、男の声がする。
まるで、探し物をするような軽い口調。
けれど、その中には抑えきれない“熱”が滲んでいた。
ドアノブが回される。
力を加えて、ドア全体が“ギィ……”と軋む。
美香奈は、息を殺して壁に背中を押しつけた。
(もう少し、もう少しだけ……)
通報は届いた。
声も、伝わった。
今はただ、待つしかない。
だが、ドアは――
音を立てて、少しずつ“その先”へ向かっていた。



