イケメン警察官、感情ゼロかと思ったら甘々でした

「……偶然だった、と。そうおっしゃるんですね?」

神谷の問いかけに、中原は目を逸らしながら、わずかに頷いた。

「ええ、そうです……ほんとに、何かのついでに……」

その声には、もはや弁明の意志よりも、“追及を逃れたい”という気配が色濃く漂っていた。

神谷は深追いはしなかった。

表情を変えず、静かに書類を閉じる。

「わかりました。
本日は、ここまでで結構です。
このあと、さらに確認すべき点が出てくるかもしれません。
その際は、またご連絡させていただきます」

中原は一瞬だけ肩を落とし、安堵の色を見せた。

「……はい。協力できることがあれば、いつでも」

神谷と刑事が席を立ち、扉の外に出る。

廊下を歩きながら、刑事が低くつぶやいた。

「完全に防戦に入ってるな。
口数が増えるたびに、自分で首を絞めてる」

「……ええ。でも、まだ“決定打”じゃない」

神谷は前を向いたまま言った。

「次は――
“彼が何を仕込んでいたのか”、そこを突く必要があります」

証拠は、あと少しで揃う。
確信の手前で、神谷の目はますます研ぎ澄まされていた。