イケメン警察官、感情ゼロかと思ったら甘々でした

刑事課の会議室には、複数の資料が広げられていた。

神谷はホワイトボードに貼られた出入り記録と、
その横に並べられたマンションの配置図を見つめていた。

「この人物、“本来は来ていないはずの日”に、明らかに敷地内へ出入りしている。
それも、現場近くの共用スペースを何度も通ってる」

そう口にしたのは、映像を精査していた若手刑事。

神谷は手元の出入り履歴と照らし合わせながら、静かにうなずいた。

「管理会社の担当者……名は“中原孝志”。
巡回記録はあるが、訪問目的が曖昧で、不審な重複もある。
日付と時間が不自然に改ざんされた可能性もある」

「現場に関与できる“鍵”の扱いにもアクセス履歴がありました。
これは、業務委託者ではなく、管理会社の内部職員でないと操作できない範囲です」

神谷の目がわずかに鋭くなる。

(……ここか)

最初から感じていた“何かを見落としている”という感覚が、
一気に形をもって現れた気がした。

「中原には直接確認をとる。
まずは任意で話を聞こう」

刑事が資料をまとめながら頷く。

「何か言い訳をしてくるだろうが、
現場周辺の行動をピンポイントで突けば、揺さぶれるはずだ」

空気がわずかに張り詰める。

“偶然の出入り”か、“意図をもった侵入”か――
その境界線を越えた先に、ようやく“真実”が待っていた。