イケメン警察官、感情ゼロかと思ったら甘々でした

食事を終えたふたりは、自然な流れで食器を洗い、テーブルを拭いた。

朝の光がカーテン越しに柔らかく差し込み、
キッチンにはスープの余韻と、コーヒーの香りがまだほのかに残っていた。

神谷は、時計に目をやりながら口を開いた。

「そろそろ、戻りますね。
今日は午後から署内で報告があるので」

エプロンを外しながら、美香奈が顔を上げた。

「……ありがとうございます。昨夜も、今朝も。
本当に助かりました」

神谷は少しだけ照れたように笑って、小さく頷いた。

「こちらこそ。無理をしないで、ゆっくり過ごしてください」

玄関で靴を履こうとしたとき、
美香奈が、やや照れたように続けた。

「……今日は、ひとりでも……少し、平気な気がします」

その言葉に、神谷はふっと表情を和らげた。

「心強いですね。でも、何かあったら、迷わず連絡してください。いつでも」

「はい」

ドアが開き、朝の光がもう一度差し込む。

神谷が一歩外へ出ようとしたそのとき――

「……行ってらっしゃい」

背後から届いたその声に、彼の足が一瞬だけ止まった。

振り返らずに、彼はただ「はい」とだけ返し、
静かにドアを閉めた。

その音が、小さな安心の証のように、
部屋の中にやさしく響いた。