イケメン警察官、感情ゼロかと思ったら甘々でした

「いただきます」

ふたりで並んで座ったダイニングテーブルには、
焼き立てのトーストと、卵とベーコンのソテー、温かいスープ。

どれも特別な料理ではなかったけれど、
湯気の立つその朝食は、確かに心を満たしてくれるものだった。

「……なんだか、こうやって食べるの、久しぶりかも」

美香奈が、スプーンを口に運びながらぽつりとつぶやいた。

「朝はバタバタしてるか、パンをかじって終わりだったし……
誰かと話しながら食べるなんて、何ヶ月ぶりだろう」

神谷はその言葉に、静かに頷いた。

「こういうのも、悪くないですね」

「はい。……すごく、ほっとします」

目が合った一瞬、ふたりの表情に、
ほんの少しだけ照れくささがにじんだ。

けれど、それを隠すように、どちらともなくコーヒーに口をつけた。

“特別じゃない朝”のなかに宿る、
確かな“特別な時間”。

それはきっと、ふたりにとって
ひとつの節目になるような、そんな静けさだった。