イケメン警察官、感情ゼロかと思ったら甘々でした

「……心配かけてごめんなさい。
たくさん、負担をかけてしまいましたね……」

そのつぶやきのあと、静寂が数秒流れた。

……ふと、ソファの上で、わずかにまつ毛が揺れた。

「……起きてますよ」

声は低く、かすれた朝の響きをまとっていた。

美香奈は、はっとして顔を上げた。

神谷は半分だけ目を開けたまま、視線をこちらに向けていた。
肩には美香奈がそっとかけた毛布があり、それに気づいた彼は口元をややほころばせた。

「毛布、ありがとうございます」

「……あっ……いえ……」

焦って言葉を詰まらせる美香奈に、
神谷は静かに体を起こしながら、ゆるく首を振った。

「床、冷たくなかったですか?」

「……あ、はい。大丈夫です」

そう答えながらも、顔はほんのり赤らんでいた。

ふたりの間に、少し気まずくて、でもやさしい静けさが流れる。

その空気を破ったのは、美香奈だった。

「……本当に、ありがとうございます。来てくれて、寄り添ってくれて……」

目を伏せたままの感謝の言葉に、神谷はまっすぐ応じた。

「こちらこそ。……あなたが、無事でよかったです」

柔らかく、まっすぐに交わされた言葉。

夜を越えたふたりのあいだに、またひとつ――確かな“つながり”が芽吹いていた。