イケメン警察官、感情ゼロかと思ったら甘々でした

朝の光が、薄いカーテン越しに差し込んでいた。

まぶたの裏に暖かい気配を感じて、美香奈はゆっくりと目を開ける。

ふわりと包む毛布。
穏やかな室温。
寝ぼけた意識の中で、ふと腕の感覚を確かめた瞬間――

(……え?)

昨夜、神谷の腕の中で泣きながら眠ってしまったことを思い出す。

「あ……!」

慌てて身を起こすと、自分はしっかりとベッドに寝かされていた。
布団も丁寧にかけられ、枕元には水の入ったペットボトルと、
折りたたまれたタオルが添えられている。

(……神谷さんが……)

視線を巡らせて、リビングのソファへ。

そこにいた。

私服のまま、背もたれに軽くもたれかかるようにして、
神谷は毛布もかけずに眠っていた。

姿勢は浅く、きっと何度も体勢を変えたのだろう。
けれど、その顔は静かで、どこか安心しきっているようにも見えた。

美香奈は、そっとベッドを抜け出すと、
近くにあった予備の毛布を手に取り、ゆっくりと神谷の肩へかけた。

指が一瞬、彼の腕に触れたとき、
昨夜のぬくもりが少しだけ蘇る。

そのまま、彼の横――ソファの足元に座り込むと、
布越しに自分の膝を抱き寄せて、静かに言った。

「……ずっと、心配かけてごめんなさい。
たくさん、負担かけてしまいましたよね……」

その声は彼に届いたかどうかわからなかった。

けれど、朝の光だけは静かに、ふたりを包み込んでいた。