イケメン警察官、感情ゼロかと思ったら甘々でした

静かに進んでいた聴取の流れが、一つの区切りを迎えた。

美香奈の手の中では、ボトルの水が少しだけ減っていた。
膝掛けのぬくもりが、いまの彼女を支えているのが、見て取れる。

神谷が、ちらりと壁の時計に目をやる。

「……そろそろ、少し休みにしませんか?」

やわらかな声だった。無理強いでも、気遣いの押しつけでもない。

刑事も頷き、記録を閉じる。

「一度ここで休憩を取りましょう。
長く話すと、どうしても疲れてしまいますからね」

美香奈は、一瞬きょとんとしたように二人を見比べ――
そして、小さく「はい」と答えた。

声のトーンはまだ弱々しいが、先ほどよりも、どこか表情に余裕が戻り始めている。

神谷がゆっくりと立ち上がり、椅子を引いて美香奈の近くに膝をつく。

「お水、もう少し飲めそうですか? 無理はしないでくださいね」

彼女はうなずきながら、ボトルを握り直し、ほんの少しだけ口をつけた。

「じゃあ……いったん、休みにしましょう」

神谷のその声は、どこか柔らかく、
警察官という立場を一瞬だけ超えて“寄り添う人”の温度を持っていた。