生徒会長と私

 暗くなりかけた帰り道。
西の空は夕陽の色と東側は暗く星が見え始めている。
 道路は人通りが少ないが、頭を思いきり勢いよく下げた私を若いサラリーマンらしき人が
ちょっと驚いた顔をしてそのまま通り過ぎていく。
頭のてっぺんに結んだポニーテールが勢いで下がり、
一緒に結んだリボンもたれている。

 もとはと言えば私がバカなことを言い出したから三人を巻き込んだんだ。
私が責任を取らなきゃ。
最悪、自分一人でやらないといけない……と
思っていた。

「バカね」と腕を組んで呆れ声のせりな。
「うんうん」と頷いている照美。
「言い出したこと後悔してるの?」とルナの刺すような視線を感じる。

 やっぱり三人は私のことを責めているんだと奥歯を強くかみしめて、
覚悟を決めるように両手をぎゅっと握って顔を上げる。

「私一人でやれるか………」

「「「私たちも、のったんだから」」」
と三人同時に呆れた表情で私の顔を見て言った。

「いやなら断ってるし、あのとき一緒にテンション上がってたのを陽葵、
一人のせいになんてしないわよ」と
おかっぱの黒髪を片手で後ろへ払うせりな。

「友だちのこと、信用できないのかな?」
と顔を近づけて私の顔をじっと見るルナ。

「仲間はずれにしないでよね」と照美。

 うるっときた私は「ありがとう」と言うよりも、
「いやだって言っても、最後まで付き合ってもらうからね」
と泣きそうな笑顔で言った。

「当然」と三人が返す。

 次の日、学校の昼休みの教室で、
「やっぱり、無理かも!」と照美が泣きついた。