教室のみんなが笑っている。
ここで笑ってもらっても意味が無い。
こんな簡単に先輩が笑ったら………想像した。
この中に先輩がいて今の先生とルナの会話を聞いて、
周りみんなが笑っている中、眉一つ動かさずに座っているところが
ありありと思い浮かんだ。
ダメだ。これくらいで笑えるなら白砂先輩もこんな賭けを持ち出してない。
「はははは」と白砂先輩がおかしそうに笑う。
昼休み、食堂で偶然、会った白砂先輩と一緒にお昼を食べることになり
朝の出来事を話した結果、楽しそうに笑ってくれた。
氷室先輩も同じように笑ってくれたら楽なのにと思いながら恨めし気に白砂先輩を見ている。
周りの女子たちも白砂先輩を見ている。
先輩もかなりのイケメンで先輩女子たちがこちらを
チラチラと見ながら通り過ぎたり近くに座って見ている。
居心地が悪いのは確かだが、氷室先輩を笑わせる必要がある私たちにとっては
その刺すような視線を気にしている暇はない。
「氷室先輩も、簡単に笑ってくれたら楽なのに」
と髪をいじりながらせりなが呟く。
「うーん」と白砂先輩が腕を組んで「無理だね」と笑顔でこちらの希望を叩き潰す。
白砂先輩って………S気質なの?
「体を張ったのに……」とルナが水野は言ったコップを強く握りすぎて、
水面が小刻みに揺れる。
本当に覚悟を決めて自分のアイデンティティである髪の色を変えてまで
挑んだのは理解するが、たぶん、方向性が違うとは口が裂けても癒えない。
「うーん。見た目よりも、心に響く系がいいんじゃないかな?」
「心に響く?」
「そう。体を張ったものよりも、話に引き込んだ方がいいかもね」
「感情移入ってやつですか?」と杏仁豆腐を食べる手を止めて照美が白砂先輩の方へ体を乗り出す。
「うん。簡単じゃないけどね」
「どっちなんですか?」と照美と白砂先輩の話にくすっと笑ってしまう。
普通の人ならこのくらいで十分なのに……
聞けば聞くほど可能性が無いと思い知らされている気がした。
「まあまあ、少しだけ手伝ってあげるよ」と白砂先輩は立ち上がって、
「おーい。翼」と食堂の前の廊下をちょうど通りかかった氷室先輩を呼び止めた。
「じゃあ。待ってて」とウィンクすると氷室先輩の元へと歩いて行く。
「ねぇねぇ。何を話していると思う?」
とせりなが身を乗り出して私たち3人に問いかける。
白砂先輩と氷室先輩が話しているのを見ながら
待たされている私たち4人が顔を近づけて先輩たち二人を見る。
白砂先輩は楽しそうに笑顔でにこやかにしているが、
氷室先輩は………相変わらずの無表情だ。
普通の会話でも、あそこまで無表情だと、
ただ見ているだけのこっちまで、
何を考えているかわからなくて不安になってくる。
「生徒会の話かな?」と照美。
「違うでしょう? 今の会話の流れ的に」とせりなが否定する。
「月の導きの結果を否定しているのか?」
「ごめん。ちょっと何言ってるかわからない」と私が言うと、
せりなと照美が同意するようにうなずく。
「君たちぃー」と白砂先輩が氷室先輩と話が終わって
振り向いて手を振りながらやってくる。
「さっきのねぇ。話けど、やっぱり、一ミリも笑わなかったよ」
とニコニコとした顔で教えてくれる白砂先輩。
わかってはいたけど………。
ドンと音がしてルナがテーブルに顔を突っ伏した。
「ルナ。あんたは頑張ったよ」
「元気出して」
「スイーツ食べて元気出して」
と照美が食べかけの杏仁豆腐を差し出す。
「あっ。ごめん。早めに結果わかったほうがいいかと思って言ったんだけど……」
と白砂先輩がさらに追い打ちをかける。
「よくない」と顔を上げるルナの瞳が濡れている。
ルナは不思議ちゃんだけど、泣いたところを見たことがない。
「好きなことをしているだけで悪く言われるのっておかしい」
と不思議ちゃん系のファッションをしていたときに
通りすがりに悪口を言われても平然としていたのに……。
それほどショックだったのと私たち3人は衝撃を受けたが、もっと衝撃を受けた人がいた。
「ごめん。泣かせるつもりはなかったんだ」と白砂先輩が一番慌てていた。
その瞬間、何も言わずにルナを抜かした3人の考えが一致した。
ーこの作戦に白砂先輩を引き込もうと。
ここで笑ってもらっても意味が無い。
こんな簡単に先輩が笑ったら………想像した。
この中に先輩がいて今の先生とルナの会話を聞いて、
周りみんなが笑っている中、眉一つ動かさずに座っているところが
ありありと思い浮かんだ。
ダメだ。これくらいで笑えるなら白砂先輩もこんな賭けを持ち出してない。
「はははは」と白砂先輩がおかしそうに笑う。
昼休み、食堂で偶然、会った白砂先輩と一緒にお昼を食べることになり
朝の出来事を話した結果、楽しそうに笑ってくれた。
氷室先輩も同じように笑ってくれたら楽なのにと思いながら恨めし気に白砂先輩を見ている。
周りの女子たちも白砂先輩を見ている。
先輩もかなりのイケメンで先輩女子たちがこちらを
チラチラと見ながら通り過ぎたり近くに座って見ている。
居心地が悪いのは確かだが、氷室先輩を笑わせる必要がある私たちにとっては
その刺すような視線を気にしている暇はない。
「氷室先輩も、簡単に笑ってくれたら楽なのに」
と髪をいじりながらせりなが呟く。
「うーん」と白砂先輩が腕を組んで「無理だね」と笑顔でこちらの希望を叩き潰す。
白砂先輩って………S気質なの?
「体を張ったのに……」とルナが水野は言ったコップを強く握りすぎて、
水面が小刻みに揺れる。
本当に覚悟を決めて自分のアイデンティティである髪の色を変えてまで
挑んだのは理解するが、たぶん、方向性が違うとは口が裂けても癒えない。
「うーん。見た目よりも、心に響く系がいいんじゃないかな?」
「心に響く?」
「そう。体を張ったものよりも、話に引き込んだ方がいいかもね」
「感情移入ってやつですか?」と杏仁豆腐を食べる手を止めて照美が白砂先輩の方へ体を乗り出す。
「うん。簡単じゃないけどね」
「どっちなんですか?」と照美と白砂先輩の話にくすっと笑ってしまう。
普通の人ならこのくらいで十分なのに……
聞けば聞くほど可能性が無いと思い知らされている気がした。
「まあまあ、少しだけ手伝ってあげるよ」と白砂先輩は立ち上がって、
「おーい。翼」と食堂の前の廊下をちょうど通りかかった氷室先輩を呼び止めた。
「じゃあ。待ってて」とウィンクすると氷室先輩の元へと歩いて行く。
「ねぇねぇ。何を話していると思う?」
とせりなが身を乗り出して私たち3人に問いかける。
白砂先輩と氷室先輩が話しているのを見ながら
待たされている私たち4人が顔を近づけて先輩たち二人を見る。
白砂先輩は楽しそうに笑顔でにこやかにしているが、
氷室先輩は………相変わらずの無表情だ。
普通の会話でも、あそこまで無表情だと、
ただ見ているだけのこっちまで、
何を考えているかわからなくて不安になってくる。
「生徒会の話かな?」と照美。
「違うでしょう? 今の会話の流れ的に」とせりなが否定する。
「月の導きの結果を否定しているのか?」
「ごめん。ちょっと何言ってるかわからない」と私が言うと、
せりなと照美が同意するようにうなずく。
「君たちぃー」と白砂先輩が氷室先輩と話が終わって
振り向いて手を振りながらやってくる。
「さっきのねぇ。話けど、やっぱり、一ミリも笑わなかったよ」
とニコニコとした顔で教えてくれる白砂先輩。
わかってはいたけど………。
ドンと音がしてルナがテーブルに顔を突っ伏した。
「ルナ。あんたは頑張ったよ」
「元気出して」
「スイーツ食べて元気出して」
と照美が食べかけの杏仁豆腐を差し出す。
「あっ。ごめん。早めに結果わかったほうがいいかと思って言ったんだけど……」
と白砂先輩がさらに追い打ちをかける。
「よくない」と顔を上げるルナの瞳が濡れている。
ルナは不思議ちゃんだけど、泣いたところを見たことがない。
「好きなことをしているだけで悪く言われるのっておかしい」
と不思議ちゃん系のファッションをしていたときに
通りすがりに悪口を言われても平然としていたのに……。
それほどショックだったのと私たち3人は衝撃を受けたが、もっと衝撃を受けた人がいた。
「ごめん。泣かせるつもりはなかったんだ」と白砂先輩が一番慌てていた。
その瞬間、何も言わずにルナを抜かした3人の考えが一致した。
ーこの作戦に白砂先輩を引き込もうと。

