ひとつ、ふたつ、ひみつ。


ふたりで最寄り駅に移動して、電車の発車時刻を確認。

上りだと、あと10分後。
下りだと、あと15分後か。

いきなり電車に乗ることだけを決めたから、行き先考えてなかったな……。

「ねぇ、真尋くん。行きたい場所……」

後ろにいるはずの真尋くんに振り返ると、真尋くんは駅構内をしきりにキョロキョロと見渡していた。

そっか。真尋くんにとっては、駅そのものがめずらしいんだ。

……というか。それよりも。
女の子からの視線が、集まっている気がするのですが。

分かるよ。
かっこいいでしょ、私プロデュースの真尋くん。
そもそも、素材が良すぎるからね。

でも、なんかやだな。
自慢したいけど、隠しておきたい。
不思議な気持ち。

──ピロリロリン、ピロリロリン。

バッグから陽気な電子音が流れる。電話の着信音。
発信元を見てみると、あっくん。

真尋くんに向かって、「しーっ」と人差し指を唇に当てながら、ジェスチャーを見せる。