ひとつ、ふたつ、ひみつ。

「すごいね、こまり。可愛かったさっきよりも、もっと可愛い」

セリフが、どこぞの王子すぎる。
現実にいる人間が、照れもせずにこれを言うの?

「あ、ありがとう……、そういうの、いいから」

「抱きついちゃだめ?」

「だめです……」

一応、聞くようにしたんだ。
勉強会にも、少しは意味があったみたい。

社交辞令か、本音か、分からないけど。
……嬉しい。

真尋くんが、高校の制服を可愛いって言ってくれたから。
私が持っている私服で、制服に一番近いプリーツスカート。
これを選んで、よかった。

真尋くんが、手を差し出す。

「行こう、こまり」

「……こっちでは、そんなに気軽に手は繋がないんだよ」

「うん。昨日言ってたね。でも、手、繋ぎたいから繋ご?」

「……っ」

ニコッと笑ってそれを言われてしまっては、断る理由が見つからない。

大きな手に、自分の手を重ねる。

どうしよう。こんなの、本当にデートみたい。