ひとつ、ふたつ、ひみつ。

「だ、抱きついちゃだめってば! さっき言ったこと、もう忘れたの?」

「忘れてないよ、無視してるだけ」

なんだと。

この甘え上手なイケメン、本当に困るんだけど。

まさか、ふたりで家にいるってことは、ずっとこう?
ふたりきり、で?

……よくない!

「真尋くん」

「ん?」

「出かけよ」

「買い物なら、昨日行ったのに?」

「買い出し目的じゃないよ。電車で出かけるの。乗ろうって言ったでしょ?」

「電車……」

真尋くんの目が、キラキラと輝き出す。

「電車って、昨日写真で見せてくれた、あの長い箱? 今日、一緒に? うん、乗りたい」

うわ、可愛い。楽しみなんだ。

「こまりと、初デートだね」

「でっ……!? デート……じゃないよ」

あれ? デートってなんだっけ? したことないんだけど。
ふたりで出かけること?
……なら。

「で……、デート? なのかな……」