ひとつ、ふたつ、ひみつ。

「上手くいったと思ったんだけどな。まさか、異世界に来ちゃうとは」

異世界に行けるようにすることのほうが、すごいような気はするけども。
どっちにしろすごいことだから、よく分からない。

なんで過去に行きたかったのかも気になるけど、真尋くんが喋りたくなさそうだから、それ以上は聞かない。

その機械は、いつ直るんだろう。
真尋くんは、いついなくなるんだろう。

真尋くんが来てから一気に賑やかになったから、まだ少ししか一緒にいないのに、それがなくなることを考えると、ちょっとだけ……さみしいかも。

「こまり、今日はこんなにのんびりしてていいの? あの可愛い服で、学校は?」

「今日は土曜日だから、休みだよ。明日も」

「じゃあ、今日も明日も、こまりはずっといる?」

「うん、いる予定だけど」

真尋くんが、まだ朝食も途中で、席を立つ。
そして。

「!?」

「よかった」

わざわざ私の座っている席に移動して、ぎゅうっと抱きしめた。

しまった、油断した。