ひとつ、ふたつ、ひみつ。

「……ううん、もういいや。それより、真尋くんの話が聞きたいな」

「俺の?」

ぷるぷるのだし巻き玉子から、じゅわっとだしが溢れてくる。
何これ、おいしすぎ。

「うん。こっちの世界に来たのも、規則を破って、過去に行こうとしたからって言ってたよね」

「あー……、うん、そうだね」

「?」

あれ? なんか言いたくなさそう?

「真尋くんの世界では、タイムスリップするにもルールがあるの? 誰でもそのタイムマシンが使えるわけじゃないって、言ってたよね」

「そう。タイムマシンは、厳しい審査をクリアした人しか使えない。これを使って行けるのは、未来だけなんだ。過去は変えると重罪になるから、そもそも過去には行けないように、制御装置(せいぎょそうち)がついてる」

……ん?

「え? でも、真尋くんは過去に行こうとしたんだよね? 制御装置はどうしたの?」

「自分で改造したよ」

しれっとなんか言ったな、今。
やっぱり、天才児なんじゃん。