ひとつ、ふたつ、ひみつ。

真尋くん、もしかしなくても天才児?

「直すって、どうやるの? 道具とかは、いらないの? うちには、ドライバーとかならあるけど使う?」

「道具なら、元の世界にいる時から持ち歩いてたから、今も持ってるよ。ありがとう」

フライパンから、ジュージューと焼くおいしい音がする。

「こまり、昨日の肉じゃが残ってるよ。食べる?」

「うん、食べたい。おいしかったから」

「分かった」

フライパンで何かを焼いている間に、真尋くんは昨日の肉じゃがをレンジに入れて、炊飯器からご飯をよそう。

待っているだけでいいなんて、めっちゃ楽。
助かる。

「お待たせ。こまり、座って」

「はぁい」

真尋くんが、テーブルに肉じゃが、ご飯、綺麗に巻かれた玉子焼きとウインナーを置く。

丸いフライパンで、こういうだし巻き玉子って作れるの?

飲み物は、ウーロン茶のティーバッグ。

「いただきます」

「いただきます」

ふたりで揃って、手を合わせる。

「そうだ、勉強会の続きだよね」

まさか、真尋くんのほうから切り出してくるとは。