ひとつ、ふたつ、ひみつ。

「ん……、んんん……」

……苦しい。
胸がつぶれているみたいな呼吸のしづらさに、私は目を覚ました。

朝のはずなのに、目の前が真っ暗。

「……?」

まだボーッとする頭で、少しずつ考える。
なにかにガッシリと抑えられているみたいで、身動きが取れない。

なにこれ。どういうこと。
少しだけ、頭を引いてみる。

ああ、なんだ。これ、昨日真尋くんに買ったばかりの、パジャマの柄だ。
青いチェックが可愛くて、似合ってたな……。

……パジャマ?
じゃあ、私の体に、ぎゅうっと回るこの腕は。

「きゃーっ!?」

また、ベッドにもぐりこんでる!
しかも、完全に私を抱き枕にして。

「なに~? びっくりした。怖い夢でも見たの? こまり」

「夢より今が怖いの!」

「えー? よしよし。怖いのどっかに飛んでけ~」

目をこすって寝ぼけながらなぐさめてる、あなたが原因ですよ!

「あ、そうだ。おはよう、こまり。早起きだね」

のんきか。