ひとつ、ふたつ、ひみつ。

「あはは」

「も……、何笑ってんの。真尋くん、手……!」

「俺のことでいっぱい困って、真っ赤になって可愛いね」

「真尋くん!」

今さら思うことじゃないのは、分かってる。
だけど、思わずにはいられない。
私は、とんでもない人を、ベランダで拾ってしまったらしい。



「へぇー、こっちの店ってこんな感じなんだ」

「……真尋くんの世界と、違う?」

結局、真尋くんはずっと私の手を離してくれなくて、歩いて近所のショッピングモールに来ただけなのに、すでに疲れた。

そして、諦めた。

メンズ服売り場は、何階だっけ。

「いや、建物が低いだけで、中はそんなに変わんないかも」

「建物?」

ここのショッピングモールは三階建てで、確かに高い方ではないかもしれないけど。

そういえば、ちゃんと聞けなかったけど、空が見えることをめずらしがってたな。

あれって、周りの建物が高いから空が見えないって意味だったのかな。