ひとつ、ふたつ、ひみつ。

ぶんぶんと手を振って、振りほどこうとするけど、離してくれる気配ゼロ。

「彼氏じゃなくて、護衛(ごえい)でもないのに、一緒に登校してんの? なんのために?」

「わ、分かんない。理由とかないよ。あっくんとはちっちゃい頃から一緒だから、それがずっと続いてるだけだもん」

うわああああん! 男子に手を握られてる!
あったかい! 力が強い! 意味が分からない!

「あっくん、ね。やっぱり、会ってみたいな、幼なじみくん」

なぜですか!

「こまりの街を見るの、楽しみだな~」

道を全く知らないはずの真尋くんが、のんびりと私の手を引いてグイグイと進み出す。

「手! 手は!? こっちでは、気軽に手を繋いで歩かないよ!?」

「んー、はぐれたくないから?」

なんだその語尾のハテナ。絶対、今考えたよね。

「はぐれませんが!?」

「まぁまぁ、落ち着いて」

「違う世界で、真尋くんのほうが落ち着いてるのが、おかしいんだよ……っ!」