ひとつ、ふたつ、ひみつ。

残念? なんで?
真尋くんって、この世界に来たことを、極力誰にもバレたくないんだと思ってたんだけど。

「16歳か……。俺の周りには、同じ世代の友達とか、いなかったから。気になったんだけどな」

エレベーターの前で、扉が開くのを待つ。

学校、行ってないんだっけ。
それってどういうことなのかな。
真尋くんは、もう社会人ってこと?

真尋くんの世界の話、すっごく気になる。

昨日は真尋くんの存在自体が得体が知れなさすぎて、色々と余裕がなかったけど、
今日になってちょっと慣れてきたせいで、学校にいる間も、知りたくて知りたくて、仕方がなくなってしまった。

──チンッ。
エレベーターがやって来て、ふたりで乗り込む。

「これ、何? ずいぶんせまい部屋だね」

「エレベーターだよ。真尋くんの世界には……」

必要ないか。ワープ出来ちゃうし。

「エレベーター?」

と、真尋くんが疑問を口にしている間に、一階に到着した。
扉が開けば、もちろん先ほどとは違う景色。

「わ、すごいね。この世界では、この部屋に入ればワープ出来るんだ」

「いや、あの……」

なんて説明をすればいいものか。

えーと、なんか日本語になかったっけ。
あ、昇降機(しょうこうき)とか、そんな名前だったかな。これで通じるかな。

「真尋くん」

「……」

「真尋くん?」

名前を呼んでも、反応がない。
外の景色を見て、息を()んでいる様子が、(はた)から見てもよく分かる。

「真尋くんの世界と、違う?」

「うん。地上からでも、空が見える……。すごいな」