ひとつ、ふたつ、ひみつ。

「あー、やっぱり悔しいな。あの日、連れ戻されなかったら、こまりとふたりで雪が見れたのに」

“あの日”。それは、真尋くんがいなくなったクリスマス。
思い出すだけで、ブルッと体が震える。
もう、二度と味わいたくない。

「何があったの? 連れ戻されたって、やっぱり元の世界の人が?」

「そう。あの日は、バイトの途中だった。買い出しを頼まれて外に出たら、なんだかすごく嫌な予感がした。ずっと動かなかったタイムマシンが、ポケットの中で光ったんだ」

真尋くんの世界のタイムマシンは、どれだけ離れようとしても、勝手に所有者の元へ勝手に戻ってくるものだと聞いたことがある。