ひとつ、ふたつ、ひみつ。

「真尋くん……」

会いたくて、会いたくて、夢と現実の区別すら出来なくなってしまったのだろうか。

私は、真尋くんと出会った日の夢を見ているだけなのかもしれない。

でも、おかしい。
私が記憶している彼よりも、顔が大人っぽく成長しているなんて。

「やっと、こっちに来れた。こまり」

声も、私の記憶よりも──。

「っ……!」

弾かれるように、ベランダに飛びつく。
いつもならすんなりと開けることができるツマミを回すだけの鍵も、焦っているせいで何度も失敗してしまう。

「っ、真尋くん!」

ベランダの窓が開いた。

夢の中ではいつも、手を伸ばせばスッと消えてしまう。
触れられない、……はずで。