ひとつ、ふたつ、ひみつ。


「えっ、それだけ?」

「それだけって? あ、餃子もおいしいお店だったよ。花恋も、今度一緒に行こうよ」

「じゃなくてさぁ」

あっくんとの約束の後、数日後に控えた花恋との買い物の打ち合わせのために電話をしていると、いつの間にか私とあっくんの話にシフトしていた。

あっくんとは違って、花恋とは大学が別れてしまったから、会える機会も高校の時ほど多くない。
お互い県内に留まっているから、会おうと思えばいつでも会えるのだけど。

「意外と、長岡くんって我慢強かったんだね。全然手を出さないで、ここまで待ってるんだもんね」

「だから、私とあっくんは付き合ってないってば」

「でも今でも、長岡くんってこまりのこと好きなんでしょ?」

「もう、そんなこと何年も言われたことないし」