ひとつ、ふたつ、ひみつ。


「こまり、今来たのかお前」

「うーん。講義には間に合うから、大丈夫。ふあぁ……、ねむ……」

建物に入ってすぐに出会った幼なじみに、私はまぶたをこすりながら答える。

昨日の夜のバイトの疲れがあとを引いて、翌日の昼近くだというのに、まだ眠い。

「お前、バイト入れすぎだよ。シフト少し減らしてもらえ」

「えー。だって、こないだひとり辞めちゃったし、今忙しいんだよ」

「あのなぁ」

「大丈夫、大丈夫。無理してるわけじゃないから。ありがとう、あっくん」

「心配してるとか、言ってねーよ」

「ふふ、そっかぁ」

相変わらず、分かりやすいのか分かりにくいのか、この幼なじみなりの優しさに、つい笑ってしまう。