ひとつ、ふたつ、ひみつ。


学校に行って、授業を受けても、友達と話していても、頭の中は真尋くんのことでいっぱい。

今、何してるのかな。

家事をしてくれるって言ってたけど、掃除機とか洗濯機とか、使い方は教えてないんだよね。
真尋くんの世界のものと、同じだったら大丈夫だろうけど。

言葉は通じたけど、文字まで同じなのかは聞いてないし、ボタンに書いてある日本語は読めるかな。

真尋くんの服も、昨日ベランダに降ってきた時に着ていたものと、今着ているあっくんのお古しかないし、少し買っておかないと。

顔がいいから、なんでも似合いそうだな。
色んな服、試着してほしいな。

そういえば、朝バタバタしすぎて、私のものは洗濯しないでって、言うの忘れた。
うわ、やばい。

どうしよう、早く帰りたい。
でも、授業がまだ二時間残ってる。

うううう……。

「こまり」

「うーん……」

「こまりってば」

「え?」

頭を抱えて困っていると、向かい合わせでご飯を食べている花恋が不審そうな表情で私の名前を呼んだ。