ひとつ、ふたつ、ひみつ。

「そうだ、仁村さんの知り合いなら、代わりに届けてもらえるかな。ちょっと待ってて」

呆然とする私の様子には気づかないのか、男性はサッと建物に入っていく。
そして、五分もしないうちに黒いリュックを手に戻ってきた。

「これ。出勤する時に持ってきた荷物も、置きっぱなしだったから。よかったら、本人に返してくれる?」

「じゃあ」と、男性は忙しそうに再びダンボールを抱えて、建物の中へ戻っていった。

バイト先の人は、こんな状況も過去に経験があるから、さほど気にしないのかもしれない。

だけど、私には分かる。
真尋くんは、昨日のバイト中に何かあったんだ。
サーッと顔から血の気が引いて、口元を手で覆った。