ひとつ、ふたつ、ひみつ。

電車に揺られて着いたのは、真尋くんが今暮らしている街。

駅を飛び出して、再び走り出す。

電車に乗っている間にも、何度も真尋くんにメッセージを送った。
未読ばかりが溜まっていって、返事は一通も返ってこない。

アパートの階段を駆け上がって、部屋のドアノブを回そうとしても、かたい感触が返ってくるだけで、開かない。

そうだ、鍵。
震える手で、ポケットの中の合鍵を探る。

鍵穴に合鍵を差し込んで、回す。
カシャンと軽やかな解錠の音が聞こえて、少しだけ心が落ち着いた。