ひとつ、ふたつ、ひみつ。

早朝の駅は、驚くほど静か。

キャリーケースにもたれかかって椅子で眠っている女性や、パリッとしたスーツに身を包んで、あくびをしながらスマホを見ている男性。
それに反して、キビキビと活発に働いている清掃員の女性もいる。

見慣れない光景に、私は意識的に、上がった息を外に漏らさないように手で押さえた。

待合室には私以外にも人はいるけれど、きっと私の心臓の音が一番大きい。

真尋くんは、私との約束を忘れたわけじゃなくて、疲れきって眠っているだけかもしれない。
メッセージの通知音にも、電話の着信音にも気づかないくらい、深い眠りなのかもしれない。

布団の中で気持ちよさそうに寝息を立てている姿を想像して、きっとそうでありますようにと、胸の前で手を組んだ。