ひとつ、ふたつ、ひみつ。


「もしもし、こまり? 今、大丈夫? 俺? 今、バイトの休憩中。うん、ここWiFiあるから。あのさ、今日の夜も会える? 昨日は渡せなかったから。あはは、大丈夫、すぐ帰すよ。こまりのお母さん心配しちゃうでしょ。俺は、二日連続で泊まってくれて構わないんだけどな」

ママに嘘をついて朝帰りをした、その日の午後。
自室に入ったタイミングを見計らったように、真尋くんから電話がかかってきた。

私たちの会話は、いつも通りで。
日常の、延長線にあった。

私がなんて返したのかは覚えていないけど、真尋くんの言葉は、今でもよく覚えている。

渡したいものって、クリスマスプレゼントとかなのかな?
なんて考えたのは、私自身が真尋くんへのクリスマスプレゼントを、バッグに入れたままで渡しそびれていたから。

いつでも会えるから。
今日も会えるから。

それでいいと思っていた。