ひとつ、ふたつ、ひみつ。

「そ、それでね、ママ……。今日はこのまま、花恋の家に泊めてもらうつもりなんだ」

真尋くんが離した手を、今度は私から触れる。

『泊まるって……そんなの、向こうの親御さんにご迷惑でしょ?』

「花恋のママが、是非泊まってって言ってくれたの。他の友達は、泊まるんだって。私だけ帰るのは、寂しいから……」

ママに嘘をついていることが心苦しくて、心臓がバクバクする。

スマホを持つ手が、震えてしまう。
声まで揺れてしまわないようにと、頑張って口角を上げる。

『もう……、そんな急に』

「ごめんね、ママ」

『しょうがないわね。こまりだって、クリスマスくらいは友達と楽しく過ごしたいだろうし。花恋ちゃんのお家に、ご迷惑かけちゃだめだからね』

「! うん」

ママが深く息を吐きながら諦めの言葉を口にしたとたん、思わず立ち上がってしまいそうになった。

『今度、花恋ちゃんもうちに泊まりに来てって、お話しておきなさいね』

「うん、ありがとう」