ひとつ、ふたつ、ひみつ。

ポンと、大きな手のひらが頭に落ちてくる。

「ごめん。こまりのことは、全然疑ってないよ。ただ、幼なじみくんはこまりのママにきっと好かれてて、家族での付き合いがあって。俺には、そういうの何も無いからさ。うらやましくなっちゃっただけ」

「真尋くん……」

「幼なじみくん、こまりのことまだ諦めてないって言ってるの、前に聞いちゃったしね」

「私が好きなのは、真尋くんだよ?」

「うん。……でも、たまに考えるんだ。俺がこの世界に来なかったら、こまりは幼なじみくんと付き合ってたんじゃないかなって」

「そんなこと……!」

ポケットの中でスマホが鳴って、私の言葉尻は奪われた。

きっと、私の不在を心配したママか、あっくんが連絡をくれたのだろう。

真尋くんが、この世界に……私の目の前に、現れなかったら……?

そしたら、私は……。

鳴り続ける、ポケットのスマホを気にした私の右手に、真尋くんの手が重なる。

「でも、もしそうだったとしても、どんな手を使ってもこっちの世界に来て、こまりのことさらっていくけどね」