ひとつ、ふたつ、ひみつ。

真尋くんにだけは誤解をされたくなくて、離れないようにギュッと服を握りしめて、すがりつく。

少し前まではふたりきりで暮らしていた家に、自分がいなくなったとたんに違う男子がいたら、怒るのは当たり前だ。

「こまり、あのさ……、お前に話があるんだけど。入っていいか?」

「っ!」

あっくんが部屋の扉を開ける気配がして、私は無意識に、自分の体ごと真尋くんを窓側に押した。

「こまり」

「え……」

耳元で囁かれて、不安な声色を向ける。

「このまま、さらっていくから」

「……っ」

ふわっと体が浮いて、抱き抱えられたことに気づく前に、私は反射的に真尋くんの首に腕を回した。

「うん、連れてって」

私たちの姿が、その場から消えるのが分かる。

「こまり……?」

ガチャッと扉が開いて、あっくんが私の姿を見つけられなかったせいなのか、困惑が混ざった声が最後に聞こえた気がした。