ひとつ、ふたつ、ひみつ。

自室に駆け込んで、後ろ手に扉を閉める。
電気をつける時間も惜しいほど、私は扉を背にしてスマホの画面を見つめた。

幸い、雲のない今夜は、月明かりが大きい。

『会いに行ってもいい?』

「うん……」

たった一行の文字列に、伝わるはずがないのに言葉を落とす。

すると。

「こまり」

目の前が暗くなって、まるで魔法のようにその人は目の前に現れた。

「……なんで?」

「ん? こまりが、いいよって言った気がしたから。来ちゃった」

相変わらず、可愛いことを言っている。

「真尋くんは、ワープだけじゃなくてテレパシーも使える世界の人なんだね」

「うん。すごいでしょ。……なんてね」

少し前まで、一番近くで、誰よりも顔を見ていたのに、その笑顔がなぜかとてもなつかしく感じる。