ひとつ、ふたつ、ひみつ。

「ママがいなくても平気なのね……。ママがずっと、忙しかったせいだもんね」

「ママ?」

悲しそうな瞳を向けられて、胸がギュッと縮まる気持ちになる。

平気だったわけでは、ないんだけど。
でも……ママが言った通り、それを口にしたところで、忙しい仕事がどうにかなるでもないし。

「あ、そうだ。おみやげいっぱいあるの。こっちこっち」

「わ、う、うん……っ」

明るく切り替えるように、ママはパンッと両手を叩いて、私の手を引いた。

「あとでね、長岡さんちにもあいさつしに行かなきゃね。ずっとこまりのこと、お願いしてたんだし」

「あ、……うん、そうだね」

あっくんとは、あれからまともに顔を合わせていない。
会話も、必要最小限のみ。
気まずいな……。

「長岡さん、外国のお菓子とか好きかなぁ」

「あっくんのママは、甘いもの好きだよ」

「そうよね」