ひとつ、ふたつ、ひみつ。

「苦しいよ、ママ」

「だってだってだってー! すーっごく会いたかった! こまりぃ~! ちょっと背が伸びたんじゃなーい!?」

「あはは、なってないよー」

スリスリスリスリと、何度も頬を擦られてくすぐったい。

仕事終わりにすぐに飛行機に乗り込んだのか、ママはカッチリとしたスーツを着ていて、髪も綺麗にまとめてある。

見た目的にはばっちりバリキャリなのに、今現在の行動がチグハグで、なんだか可愛い。

「ひとり暮らしは大丈夫? 何か困ったことはなかった?」

「うん、大丈夫だよ」

「本当に? ママがいなくて、大変だったでしょ?」

「ううん。ちゃんとやってたから、心配しないで」

「そう……」

ママの顔には、あからさまに『がっかり』と書いてあって、眉もへにゃっと垂れ気味。

「そうね……。もっと散らかってるかと思ってたのに、キッチンもリビングもピカピカだし、整理整頓もされてたし……。こまりはひとりで問題ないのね……」

九割以上が、真尋くんの功績ですが。