ひとつ、ふたつ、ひみつ。

「だって私、まだ16歳だから高一だよ。真尋くんも、17なら高校生なんじゃないの？」

「まさか。高校なら、14で卒業したし」

「えっ？」

「え？」

飛び級？

あ、違う。そもそも世界が違うから、教育制度が違うのかな。

異世界の日本、気になりすぎる。
めっちゃ聞きたい。

「こっちでは、小学校、中学校、高校、あとは大学か専門学校って感じなんだけど」

「16で高一ってことは、学生でいていいのは何歳まで？」

「人によるけど、22とか……」

「こまりー、おい、こまりー」

のんびりご飯を食べている間に、いつものお迎えの時間になってしまったらしい。
あっくんの呼ぶ声が、玄関から聞こえる。

「わ、時間だ、ごめん真尋くん、私行かなきゃ」

慌てて口にトーストを詰め込んで、モゴモゴと喋りながら席を立つ。