ひとつ、ふたつ、ひみつ。

「でも、アパートとかどうやって契約出来たの? 私はよく知らないけど、色んな書類とか必要じゃなかった?」

「ん? んー……まあ、大丈夫。元の世界でも、ひとり暮らしはしてたから」

答えになっていないような気が。

「え、真尋くん、犯罪とか……」

「あ、それはないから大丈夫」

「そう……」

なんだかいつも、このニコニコした人たらしな笑顔でごまかされている。

「犯罪じゃないなら、いいけど。そうだ、真尋くん、クリスマスの夜はふたりで過ごせるかな?」

ため息をつきながらクリスマスと口に出して、はたと気がついた。
ママに、具体的には何日に帰ってくるのか、聞いていない。

クリスマスに被っちゃうなら……、こっそり真尋くんに連れ出してもらおう。

「クリスマス? こっちにもあるんだ。大半の子どもたちが、楽しい日だよね」

“大半”って言うってことは、真尋くんはその中には含まれてなかったのかな。

「大人だって、楽しいよ」

「大人も? こっちの世界の大人は、クリスマスに何するの?」

「え? えーと……」

何って改めて聞かれると、回答に困る。

真尋くんの世界では、クリスマスは子どもたちのものって認識なのかな。
たびたび文化が違うことを思い知るけど、イベントごともそうだとは。

世の中の恋人たちは、当然のようにクリスマスを一緒に過ごすみたいだったから、そのノリで私も真尋くんと過ごしたいと思ったけど。

えーと、ドラマとかだと……イルミネーションを見に行って、ご飯を一緒に食べて、プレゼントを贈って。
最後は、ふたりきりの部屋で……。

……え?
あれ?