ひとつ、ふたつ、ひみつ。


今年も、残りあと一ヶ月未満。
風の冷たさが肌に痛くなってきた季節に、それは突然舞い込んできた。

「えっ、ママ帰ってくるの!?」

夕飯後の、リビングでのまったりタイム。
真尋くんとふたりで、ソファーの上でダラダラとしていた時に鳴り響いた着信音の先で、馴染みのある優しい声はそんなことを告げた。

『そう。年末年始は、仕事が調整出来そうなの。いつも、こまりひとりにしちゃってごめんね』

「あ……、そうなんだ……」

『なに? あんまり嬉しくない? まさか……ママのこと、嫌いになっちゃった?』

「えっ!? 違うよ、違う!」

電話口のしゅんとした声を聞いて、思わずその場で立ち上がってしまう。

『本当? ママも、こまりとふたりで過ごすの、ずっと楽しみにしてたの』

「う、うん。わたしも、た、たのしみだなー、あはは……」

隠しきれない棒読みで笑って、国際電話を切ってすぐに、私は頭を抱えた。