ひとつ、ふたつ、ひみつ。

なんだか妙に悔しい気持ちのままリビングに向かって、制服も着替えずに、叫びたい気持ちをクッションをぎゅうっと抱きしめて抑え込む。

頭の中までドキドキがうるさくて、紛らわせたくて、テレビのリモコンへ手を伸ばす。

その、隣には。

「……あれ?」

腕時計みたいな、画面が真っ赤になったこの機械は、見覚えがありすぎる。
私の世界にはなくて、少し前までずっと真尋くんの腕にあった。

だけど今日、確かに学校の屋上から……。

「真尋くん」

「なに?」

リビングから、キッチンの後ろ姿へ声をかける。

「タイムマシン、今日、屋上から捨ててたよね? 拾ってきたの?」

「まさか。言ったでしょ、勝手に戻ってくるって。家に帰ったら、すでにそこにあったよ」

「そう……なんだ」

初めてその話を聞いた時には、とても便利な機能だと思っていた。

だけど、それはつまり、どこへ行っても、どうやっても逃れられないということ。

いざこの目で見てしまった今、とても怖いことのように思えて。
初めて、背筋が冷たくなった。