ひとつ、ふたつ、ひみつ。

「あっくん……」

「なに?」

「どこ行くの?」

「帰る」

「……」

少しずつ小さくなる背中を見つめながら、追いかけてもいいのか迷ってしまう。

だけど。

「何してんだよ。置いてくぞ」

「っ……、うん」

一度だけ立ち止まって、またすぐに背中を向ける姿を、追いかける。

この見慣れた光景を見るのはきっと、これが最後。
自分から言い出したくせに、視界がにじむ。

図書館を出ると、いつもとは違う帰り道の景色がなつかしくて、不思議な気持ちになる。

「……大きくなったね、あっくん」

「なんでお前が保護者側なんだよ。ずっとちっちゃいから、羨ましいのか」

「違いますー!」