ひとつ、ふたつ、ひみつ。


「はぁ、はぁ……」

息を切らしながら見上げるのは、図書館の二階。

中学校からの帰り道にあるから、中学生だった時は放課後によく足を運んでいたここも、高校生になった今ではあまり訪れなくなってしまった。

図書館の入口を通ると、なつかしい匂いに、一気に中学時代の記憶がフラッシュバックしてくる。

思い出すのは、冷たい空気と本のにおい。
静かな空間と、人の気配。

受験前は、ほとんどここで勉強してたな。

『ほら、頑張れこまり。一緒の高校に行くんだろ』

弱音を吐く私に、いつも隣にいてくれたのは……。

私は迷わず、二階への階段を上がった。