ひとつ、ふたつ、ひみつ。

もうとっくに昇降口まで行って、そのまま帰っちゃっただろうな。

長年幼なじみをやってきたつもりだけど、あっくんに逃げられたのって……初めてかも。

いつもどんな時でも、そばにいようとしてくれたのはあっくんの方だったから。
私はずっとそれを、手のかかる幼なじみを放っておけない、兄心からみたいなものだと思っていたけれど。

「……」

いつから?
ずっとって、どれくらい前?

第三者の花恋から見て分かるくらいって……私、鈍すぎない?
最低だ……。

再び、ずーんと沈んでしまう。

あんなに昔から、一番そばにいたのに。

「……帰ろ」

私は誰に聞かせるでもなく呟いて、昇降口へ続く階段を下り始めた。